薬に生かされている
今日の朝は特段に深い憂鬱に包まれて目覚めた
大抵アラームに無理やり起こされる目覚めはいつも最悪なのだが、今日はとくにひどい感覚があった。
何が原因でそうなるのかは分からない、疲れが取れていないのか、低気圧のせいなのか
気温が低いせいなのか、分からない。
分からないが、とにかく心身は不調を訴える。
まず動けない、瞼を開けるのも億劫になるほど、気持ちが萎えていた。
このまま心臓が止まってほしい、脳が機能停止すればいいのに、そう思った。
瞼を動かすだけで吐き気を催し、具合が悪くなる。
手を動かすと一気に疲労感に襲われる。
現実が重しになり、体全体を押さえつけてくる。
それでも泣きそうになりながらベッドから這い出し、薬箱へ向かう。
会社へ行かなければならない、出社しないといけないという強迫観念から薬にすがりつく。
毎朝服用しているこれらを飲んだが、状態は最低のまま。
このままでは動けないと思い、薬箱にあったパブロン6袋、ベタナミン1錠を追加で服用し30分後になんとか動けるようになった。
つらい、苦しい、死にたい、つらい、つらい、死にたい死にたい死にたいとぐるぐるぐる思考する
電車内では、今生きているのか死んでいるのか不安になった。
会社の近くに来た頃に体調が改善してきた。
むしろ改善しすぎていた、万能感、高揚感につつまれやる気が出てきた。
この感覚は十数年ぶりだった。
飲みすぎた、と直感した。
ダウナー系とアッパー系の薬をちゃんぽんしたため
合法カクテルドラッグになってしまっていた。
脳はフル回転し、目はバキバキ、体はフワフワと軽い、疲労感もまったくない。
もしかしたら、これが健康体の人の状態なのかもしれないが、
なんとか会社に出社もでき、帰宅した。
でも、帰宅後に薬が切れたときの疲労感がすごかった。
コートも脱げず、リュックを背負ったままベッドに小一時間うな垂れた。
こんな状態でぼくはこの先何十年も生きていけるのだろうか、大きな不安が襲ってくる。
そしてまた、不安を紛らわすために精神安定剤をかきこむ。
だましだまし、心と体に鞭を打って生きる。
そんな生き方をしてまで生きる意味があるのか
ぼくは寝たきりで延命装置に囲まれて生きているのと何が違うんだろう。
延命装置を破壊して自由に死にたい。そう願ってしまう。